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NHK年始特集

風の橋  

中国・雲南 大峡谷に生きる


1997年1月3日放送

ギャラクシー賞受賞(放送批評懇談会)

制作著作 NHK   共同制作 NHKエンタープライズ・テムジン

企画&ディレクター: 柴田昌平



                                            写真提供:岡本央


ギャラクシー選奨(受賞理由より)
一本のワイヤーロープで下界と繋がったシーディー村。秘境としてではなく 生活の場として取り上げられたところが新鮮です。詩情あふれる映像と切れ味のいい展開で 作品に快いリズムが醸し出されており秀逸でした。
  1997年5月27日 放送批評懇談会
        理事長 志賀信夫

■企画意図
 その村に到るには一本のワイヤーロープを伝って川を越えなければならない。世界有数の大峡谷とし て知られる中国雲南省怒江峡谷、少数民族リス族が暮らすシーディー村。2000人の村人と外界とを結ぶのは、「怒りの川」と呼ばれるおよそ150メートル幅の大激流を渡してある一本のロープ橋だけである。収穫した作物を売りに行くにも、奥山で採った薬草や野生動物を売りに行くにも、市場で布や糸を買うにも、医者に行くにも、嫁に来るにも、人々は体と物資を綱で結び、滑車を付けて、ロープ橋を一気に渡り抜ける。その渡るときのスピード感と、滑車とワイヤーロープとが摩擦して起こるビューンという唸り音から、ロープ橋は「風の橋」と呼ばれている。
雲南省の少数民族は急激な近代化に晒されるなかで伝統的な生活を失いつつあるものが多いが、怒江峡谷一帯は、雄大な自然と対応した暮らしが今も生き生きと営まれている。標高1100メートルから3000メートル、40度近い急斜面に展開するシーディー村には亜熱帯から寒帯までの気候が同居しており、人々は稲作・焼畑・狩猟採取など立体気候に対応した複合的な生活を営んできた。そして自然から得たさまざまな恵みを「風の橋」によって外界へ運び、「風の橋」を渡ることによって生活・人生を刻んできた。
番組では、村の唯一の窓「風の橋」の往来を切り口として大切にしながら、その奥で営まれているリス族の人々の暮らしと人生の豊かさを描き出し、人間が「生きる」ということの原義を問い直す。少数民族だからといってエキゾチズムに依るのではなく、同じ地球に生きる等身大の人間として生活のディティールを素直に捉えていくことで、現代日本人が見失いつつある「生の質量」を深く感じさせるような番組としたい。
(1998年8月・柴田作成の企画書より)


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