“組踊”(くみおどり)青春譜
〜沖縄・伝統芸能に挑む若者たち〜
※NHK衛星ハイビジョン局長賞受賞
放送: 2000年7月13日(74分・NHK全国放送)
内容
今年5月、沖縄県立芸術大学の学生とOBたちが伝統芸能の公演を行なった。組踊(くみおどり)と呼ばれる300年の歴史を持つ沖縄独特の古典芸能である。組踊は、雅楽・能・歌舞伎と並んで国の無形文化財に指定され、色鮮やかな紅型衣装をまとい三線(さんしん)の音と台詞によってオペラのような音楽劇を繰り広げる。琉球芸能の真髄と云われる組踊だが、沖縄戦で名優が亡くなったり戦後の後継者不足などで何度も存亡の危機に立たされてきた。
学生たちは故郷の誇りを受け継ぐ意気込みを示そうと、あえて難しい芸にチャレンジ、20代の若者だけで組踊が演じられるのは初めてのことである。メンバーはそれぞれが沖縄の歴史や現実を背負っている。主役の女形に取り組む東江裕吉(あがりえゆうきち)君(25)は就職難の沖縄で工事現場のアルバイトをしながら稽古に励んできた。三線奏者のリーダー、照喜名朝國(てるきなともくに)君(28)は、人間国宝で三線の名手である父親との確執から家出同然に本土で働いた経験を持つ。
沖縄言葉の発音練習から始まった稽古は、様々な壁にぶつかりながらも心ひとつになって初舞台へ向かって行く。番組では、公演までの6ヵ月を追い、伝統芸能復活にかける群像を通じて若者にとっての沖縄を描く。
制作・著作 NHK
共同制作 NHKエンタープライズ21
プロダクション・エイシア(沖縄文化映像研究所)