長編ドキュメンタリー映画「ひめゆり」 トップ頁へ
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2007年8月15日、16日 新宿区四谷区民ホール

報告 特別上映会 「ひめゆりの風」

 ~Cocco・柴田監督・元ひめゆり学徒と共に~
みんなで観よう 映画『ひめゆり』


トーク2

この日が実現したのは、実は1年前に遡ります

柴田:今日8月15日に、『ひめゆり』という映画を、若い人たちにこれだけ集まってもらって観てもらえることはとても嬉しくて、このような上映会めったにないと思います。 今日この日が実現したのは、実は1年前に遡ります。

ちょうど1年前の8月15日Coccoさんがライブを行いました。その中でCoccoさんがひめゆりの事について触れてくださって、語ってくださって、その事を映画『ひめゆり』の関係者も知りまして交流が始まりました。

最初、淑子さんも喜久子もCoccoさんのことはどんな風に知っていましたか。あるいは知りませんでしたか?

宮城:私はCDの中で、映像を通しては、Coccoさんの姿は見たんですが、実際に本人にお会いするの初めてなんです。CDが発売された先月の27日に早速それを求めて、その声を聞いたんですけど、戦争の中でみんなで慕っていた唯一の女の先生が、壕の中で「お菓子の好きなパリ娘」のうたを歌ってくださっていますね。それをCDの中で聞いたとき涙がこぼれました。今日は本人にお会いできてとても嬉しいです。

柴田:淑子さんはCoccoさんのライブの様子を映像で見たときに涙を流していらしたのが僕も印象的だったのですが。

島袋:若い人たちは「Coccoさん知らないの?」って、孫も言うんです。「おばあちゃんCoccoさん知らないの?」私正直言って知らなかったんです。ごめんなさい。

(会場笑い)

島袋:1 年前の今日の沖縄のライブがあるという、そんな忙しい中をひめゆりの塔をお参りくださり、そして資料館に足を運んでいただいたと柴田さんから伝 えられたときには、私は本当に胸がいっぱいで涙がぽろぽろ出てきて、早くお会いしたいと思っていました。だけど、なかなかお会いできなくて、 今日ここでお会いしたときには、本当にこんなに近いところに座っていていいのかなと思うくらい、感動しております。早速孫たちにも「今日会えるんだよ」と知らせました。そのくらい感動しています。

『お菓子と娘』

柴田:少し解説します。7月25日に発売された『きらきら』というアルバムがあります。

その中に『お菓子と娘』という曲が収録されているのですが、さっき皆さん観られた映画の中で、喜久子さんが一言しゃべっていらっしゃったんですね。「戦場の病院の壕の中で“お菓子の好きなパリ娘”という歌を歌って、笑い声さえ聞こえたんですよ」という。その歌なんですよね、喜久子さん。

宮城:そうです。この歌を私たちはよく、授業中に社会科の先生だった親泊千代先生と歌いました。23歳で亡くなりましたけどね。今の御茶ノ水女子大の出身でした。 戦争が激化して、4年間で勉強をするのを3年半で卒業させられて、 母校のひめゆり学園の教師になられたんです。ですから私たちの先輩でもありますし、恩師でもあるのです。その先生は18名の引率の先生の中で唯一女の先生でした。 3ヶ月の戦争生活で、男の先生方が気がつかない細かいところまで、先生はよく私達のことを気遣っていらしたんです。

授業中に聞いた『お菓子の好きなパリ娘』。とても歌詞が楽しいし、10代の女の子にとってはすごい憧れの歌、あの戦時中ですから、みんなの心の中に感動を残したんです。 あの砲弾の中で、戦場の壕の中で先生が歌って下さったとき、あの時のみんなの、なんというんですか、感動というか、先生が歌ってくださったことでみんなの心をすごく励ましてくださったと思うんです。

そういう意味で私はあの授業中の先生の歌声、(戦場の)壕の中での歌声、あの感動は今もずっと残り続けています。さらにCDで聞いてますます感動したわけです。


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